市場といえば、韓国らしさが色濃くにじみ出ている場所。ガヤガヤとした活気に満ちており、いろいろなものを見て歩くのは本当に楽しいです。
数年前、バスに乗っている時に車窓から市場が見えたので、途中下車をし、フラフラ散策をしたことがあります。ただ、その時はお腹いっぱいで何も食べられず。
オモニが焼いているチヂミやホットクなどを見て、ひたすら「おいしそう~」と言いながら、指をくわえて見るだけで、終わってしまいました。
今回、久々に市場に行くことになったのは、友人が「行ってみたい」と言ったから。その言葉を聞き、以前、自分も「ちゃんと行ってみたい」と思っていた記憶がよみがえりました。
というわけで2日目のお昼は、市場でご飯を食べることにしたのです。
行った日:2018年11月11日(日)14時30分
食べたもの:보리밥(ポリパッ:麦飯)
値段:5,000ウォン
14時半にもかかわらず、市場は活気にあふれていました!
私たちは東大門に宿泊していたので、散歩がてら歩いて行ってみることにしました。ホテルは、LOTTE FITIN から乙支路方面に歩いて、5分くらいの場所。
そこから、てくてく歩くこと10分。「광장시장(広蔵市場)」という大きな看板が見えました!
着いたのは14時半でしたが、どのお店も人でいっぱい。そして、どのお店の食事もおいしそうに見えるし、何を食べていいやらどこのお店に入っていいやら、迷ってしまいます。それもまた、幸せな時間。
ゆっくり歩きながら市場の雰囲気を楽しんでいた中、「보리밥(ポリパッ)」というお店を発見。
店名にするのは、それだけ自信があるのでは?と思いました。友人が「ポリパッ」を食べてみたいと言っていたし、ちょうど2席ほど空いており、オモニも感じが良かったので、このお店に決定。
ヘルシーな郷土料理「ポリパッ」を注文してみることに
ちなみに「ポリパッ」とは、麦ごはんのこと。「ポリ」が「麦」、「パッ」が「ごはん」という意味になります。
ただ単なる「麦飯」ではなく、お店や食堂で出されるメニューは、麦ごはんにナムルやコチュジャンなどを入れて混ぜ、食べるものになります。
体に良い麦飯と共に、いろいろな野菜を一緒に摂れるため、とってもヘルシー。ちなみに、韓国の忠清道(チュンチョ)という地方の郷土料理なのだそう。
いろいろおいしそうなものはありますが、最初から注文すると決めていた「ポリパッ」を注文。
食事が出てくるのを待っている間、私たちが座っている後ろを、地元の方や観光客がひっきりなしに通り過ぎていきます。
また、私たちの横ではハルモニがおしゃべりを楽しんでいたり、地元のアジョシがお酒を飲んでいたりと、雑多な雰囲気を存分に楽しめました。
メニューが出てくるまで、それほど待っているわけではありませんでしたが、途中でオモニが何度も笑顔で、「잠시만요~.(お待ちください~)」と言いながら、気を遣ってくださいました。
それだけで、このお店にして大正解だと思った単純な私たち。
息子さんらしき男性が、器にご飯を入れた後、目の前にある野菜を次から次へと入れてくれます。
シンプルだけど、何度も食べたくなる味
そして、出てきた!これで、5,000ウォン。ごはんは少なめで、野菜がたっぷり食べられるのがうれしい!
よ~くかき混ぜると、こんな感じになります。ごはんの量は、男性には物足りないかもしれませんが、私たちは腹八分目もいかないくらいで、適量でした。
ただ、ご飯と野菜の量をうまく調整しながら食べられず……。最後、明らかに野菜が多めに残っているのを見たオモニが、ごはんをすすめてくれました。
断ったのだけど、遠慮しないでと言われ、しゃもじ半分くらいのごはんをよそい、入れてくれました。厚意かもしれないけど、おそらくごはんは、無料でおかわりできるのではないでしょうか。
お味噌汁は貝のうまみがしっかり出ていて、香りもよかったです。どこぞやの家庭料理がお上手なお母さんが、作ってくれたお味噌汁という印象。これもご飯に合わせ、ちょうどよい量でした。
とても質素な料理ではありますが、どこか懐かしさを感じられるメニュー。私たち、終始無言で「ポリパッ」を食べてしまいましたが、シンプルな味が逆に、とても良かったのです。
日本人であれば、ついついお茶漬けなどを、黙って無心でパクパク食べてしまう感覚と似ているかもしれません。
『広域市場』で「ポリパッ」を食べた感想まとめ
お店で食べる食事もおいしいですが、外で食べることに抵抗がなければ、市場で食べるのも乙です。
日本にはない韓国独特の雰囲気や活気を存分に味わえるため、それもまた、ごはんがよりいっそうおいしく感じられた所以かもしれません。
日曜はお休みのお店が多いような情報を目にしたのですが、私たちが行ったのは日曜日。食事をするお店を迷うくらい営業されていたので、特にお目当てのところがあるわけではないなら、無駄足にはならないはず。
ガヤガヤとした雑多な雰囲気、各お店のオモニがお客さんを呼び込む大きな声など……。そういったものを見聞しているうち、市場で食事をすることに対するテンションは、自然と盛り上がります。
そういう感じが好き!堪能してみたい!という方には、全力でおススメしたいです!
住所:서울특별시 종로구 창경궁로 88(ソウル特別市 鍾路区 昌慶宮路88)
アクセス:地下鉄1号線「鍾路5街」駅 8番出口 より徒歩1分